シムラこんにちは。スマホアドバイザーの「シムラ」です。
毎月のスマホ代を少しでも安くしたいと考えたとき、多くの方が「楽天モバイル」や「日本通信」といったキーワードで検索を行い、どちらが良いのか比較検討されているのではないでしょうか。通話品質や通信速度、キャンペーンのお得なタイミングも気になっていることでしょう。
実は、データ無制限で使いたいのか、それとも月額290円からの低価格で維持したいのか、あるいはその両方を叶えるためにデュアルSIMでの併用を視野に入れているのかによって、選ぶべき最適解は大きく変わってきます。
この記事では、それぞれの特徴やメリットだけでなく、実際に使う上で気になる欠点についても包み隠さず解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
- 楽天モバイルと日本通信SIMの料金や通話品質の違いが分かります
- 繋がりやすさや昼の通信速度といったリアルな実情を把握できます
- それぞれの欠点を補い合う最強のデュアルSIM運用法を知ることができます
- 損をしない乗り換えタイミングやMNPの手続きについて理解できます
徹底解説する楽天モバイルと日本通信の比較


まずは、両社のサービス内容を基礎から徹底的に比較していきましょう。料金プランの仕組みはもちろん、音声通話の品質や通信エリアの広さなど、カタログスペックだけでは見えてこない「使い勝手」の部分に焦点を当てて解説します。
通話品質と料金プランの決定的な差
| 比較項目 | 楽天モバイル | 日本通信SIM |
|---|---|---|
| 月額料金 | 1,078円 〜 3,278円 (段階制) | 290円 〜 2,178円 (定額制) |
| データ容量 | 無制限 | 上限設定可 (1GB〜50GB) |
| 使用アプリ | Rakuten Link (専用アプリ必須) | スマホ標準の電話アプリ |
| 通話料金 | 完全無料 | 30秒11円 (または定額) |
| 通話品質 | 環境に依存 (データ通信通話) | 高品質・安定 (VoLTE) |
両社を比較する上で、最も分かりやすい違いは料金プランの設計思想にあります。
楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」は、データを使った分だけ料金が上がる段階制で、どれだけ使っても月額3,278円(税込)という無制限の上限があるのが最大の特徴です。一方、日本通信SIMは「合理的」という言葉を冠した定額プランが中心で、特に月額290円(税込)から始められる「合理的シンプル290プラン」や、20GB使えて通話定額も付く「合理的みんなのプラン」など、無駄を削ぎ落とした価格設定が魅力ですね。
そして、ユーザー体験に直結するのが通話品質の違いです。
楽天モバイルは「Rakuten Link」アプリを使うことで国内通話が無料になりますが、これはデータ通信を利用する仕組みのため、電波状況によっては音質が不安定になることがあります。対して日本通信SIMは、スマホ標準の電話アプリを使用し、高音質なVoLTEで通話が可能です。しかも、専用アプリ不要で30秒11円という大手キャリアの半額以下の通話料を実現している点は、ビジネス利用などで通話品質を重視する方にとって見逃せないポイントでしょう。
通信速度の実測と繋がりやすさ


通信速度に関しては、自社回線を持つMNOである楽天モバイルと、ドコモから回線を借りているMVNOである日本通信SIMとで、明確な傾向の違いがあります。
楽天モバイルの通信速度レポート
| 時間帯 | Ping | 下り平均速度 | 上り平均速度 |
|---|---|---|---|
| 朝 | 49.03ms | 89.62Mbps | 25.4Mbps |
| 昼 | 53.13ms | 59.1Mbps | 20.01Mbps |
| 夕方 | 49.51ms | 71.26Mbps | 23.05Mbps |
| 夜 | 50.99ms | 78.0Mbps | 25.12Mbps |
| 深夜 | 52.02ms | 106.46Mbps | 27.55Mbps |
楽天モバイルは自社エリア内であれば、混雑しやすい時間帯でも比較的高速な通信が可能です。特に5Gエリアなど条件が良い場所では、光回線並みの速度が出ることも珍しくありません。
日本通信SIMの通信速度レポート
| 時間帯 | Ping | 下り平均速度 | 上り平均速度 |
|---|---|---|---|
| 朝 | 58.69ms | 162.11Mbps | 19.28Mbps |
| 昼 | 69.77ms | 16.08Mbps | 9.11Mbps |
| 夕方 | 63.34ms | 37.49Mbps | 12.36Mbps |
| 夜 | 63.05ms | 60.54Mbps | 10.7Mbps |
| 深夜 | 61.36ms | 111.44Mbps | 12.01Mbps |
一方、日本通信SIMはNTTドコモのネットワークを利用しているため、エリアの広さや繋がりやすさはドコモ本家と全く同じです。山間部や地下鉄、新幹線のトンネル内などでも安定して繋がる安心感は抜群ですね。ただし、MVNOの宿命として、お昼休みなどの利用者が集中する時間帯には通信速度が低下する傾向があります。



Webサイトの閲覧やLINEのやり取り程度なら問題ありませんが、高画質の動画視聴などは少し厳しくなる場合があることを覚えておきましょう。
楽天モバイルの欠点は?つながりやすさ


楽天モバイルを検討する際、どうしても気になるのが「プラチナバンド」の整備状況と屋内での繋がりやすさではないでしょうか。最近になってプラチナバンドの運用が始まったとはいえ、まだエリアは限定的です。そのため、ビルの中や地下街、大型商業施設の奥まった場所などでは、電波が入りにくくなる「圏外病」のような症状が出ることがあります。
au回線を借りるローミングによってカバーエリアは広がっていますが、自社回線とパートナー回線の切り替え時に通信が一瞬途切れることもあります。もし、現在楽天モバイルを使っていて「繋がらない」と感じることが多い場合は、原因と対策を知っておくことが大切です。
日本通信SIMの欠点は?昼の遅さ


日本通信SIMは非常にコストパフォーマンスに優れたサービスですが、決して万能ではありません。最大の弱点は、先ほども少し触れた「平日昼12時台の速度低下」です。多くの人が一斉にスマホを使うこの時間帯は、借りている帯域(道路の幅のようなもの)が混雑し、通信速度が1Mbps前後まで落ち込むことがあります。
また、店舗でのサポートが基本的にないため、初期設定やトラブル対応をすべて自分で行う必要がある点も、スマホに詳しくない方にとってはハードルになるかもしれません。さらに、楽天モバイルのような海外でのデータ通信無料サービスはなく、海外利用時は通話とSMSのみに限られる点も、海外旅行によく行く方にとっては欠点と言えるでしょう。
eSIMの再発行手数料と手続き
最近のスマホは、物理的なSIMカードを差し替える必要がない「eSIM」に対応した機種が増えていますね。両社ともeSIMに対応しており、オンラインですぐに開通できるのが便利です。ただし、機種変更などでeSIMを再発行する際の手数料には違いがあります。
| 項目 | 楽天モバイル | 日本通信SIM |
|---|---|---|
| eSIM再発行手数料 | 完全無料 (回数制限なし) | 年3回まで無料 (4回目以降 1,100円) |
| 手続き方法 | 「my 楽天モバイル」 (アプリまたはWeb) | 「マイページ」 (Webブラウザのみ) |
| 特徴・注意点 | アプリで即時発行可能。 機種変更が非常に楽。 | 頻繁に端末を変える人は 手数料発生のリスクあり。 |
楽天モバイルは、eSIMの再発行手数料が無料です。アプリから簡単に手続きでき、何度機種変更してもコストがかからないのは嬉しいポイントです。一方、日本通信SIMは、eSIMの再発行手数料が「1年間に3回までは無料」ですが、4回目以降は1,100円の手数料が発生します。



頻繁にスマホを買い換えるガジェット好きの方は、この回数制限に注意するか、あえて物理SIMを選ぶというのも一つの手かなと思います。
MNPワンストップ方式の対応状況
電話番号を変えずに他社へ乗り換えるMNP(ナンバーポータビリティ)の手続きも、以前より格段に楽になりました。楽天モバイルも日本通信SIMも、予約番号の取得が不要な「MNPワンストップ方式」に対応しています。これにより、移転元のキャリアで予約番号を発行してもらう手間が省け、乗り換え先の公式サイトだけで手続きが完結します。
ただし、乗り換え元のキャリアもワンストップ方式に対応している必要があります。ドコモ、au、ソフトバンク、主要なMVNOなどは対応していますが、一部の格安SIM事業者からの乗り換えでは、従来どおり予約番号が必要になるケースもありますので、事前に確認しておくとスムーズですね。
楽天モバイルと日本通信の比較と併用戦略


ここまで個別の特徴を見てきましたが、実はこの2社、どちらか一方を選ぶのではなく「組み合わせて使う」ことで真価を発揮する関係にあります。ここからは、賢い乗り換えのタイミングや、最強とも言える併用運用について深掘りしていきましょう。
損をしない乗り換えタイミング


乗り換えを検討する際、「いつ手続きするのが一番お得か」は悩みどころですよね。基本的に、解約する元のキャリアの料金は日割りにならず満額請求されることが多いため、月末付近での乗り換えが経済的です。ただし、日本通信SIMのようなMVNOは、申し込みからSIMカードが届いて開通するまでに数日かかることがあるため、余裕を持って20日〜25日頃に申し込むのが安全かなと思います。
また、楽天モバイルに関しては、常時開催されているポイント還元キャンペーンを最大限活用するのが鉄則です。特に、初めての申し込みや他社からの乗り換えで大量のポイントがもらえるキャンペーンは見逃せません。契約前にキャンペーンの詳細を確認しておくことで、実質的なコストを大幅に下げることができます。
最強のデュアルSIM運用法を解説
私が個人的に最もおすすめしたいのが、楽天モバイルと日本通信SIMの「デュアルSIM」運用です。
普段は楽天モバイルで高速通信を利用し、Rakuten Linkで無料通話を活用。もし楽天モバイルが圏外になったり、建物内で繋がりにくかったりした場合は、即座に日本通信SIM(ドコモ網)に切り替えることで、通信断絶のリスクをほぼゼロにできます。さらに、重要なビジネス通話には品質の高い日本通信SIMの電話番号を使う、といった使い分けも可能です。



これで月額1,368円から維持できるのですから、コストパフォーマンスは圧倒的ですよね。
iPhoneで併用する際の設定と注意点
iPhone(XR以降のモデル)であれば、1台でeSIMと物理SIM、または2つのeSIMを同時に待受させることが可能です。設定も非常に簡単で、「設定」アプリの「モバイル通信」から、データ通信に使用する回線と、音声通話に使用するデフォルト回線をそれぞれ指定するだけです。
注意点としては、日本通信SIMでプロファイル(APN設定)のインストールが必要になる場合があることです。楽天モバイルはプロファイル不要で繋がることが多いですが、併用する際は手順書をよく読んで設定しましょう。また、「モバイルデータ通信の切り替えを許可」という設定をオンにしておくと、電波状況に応じて自動で回線が切り替わりますが、意図せずデータ容量を消費してしまう可能性もあるため、自分の使い方に合わせてオンオフを調整することをおすすめします。
楽天モバイルと日本通信の比較まとめ


最後に、今回の比較の要点をまとめます。データ無制限や楽天市場でのポイント還元、海外利用を重視するなら「楽天モバイル」。月額料金の安さ、ドコモ回線の安定したエリア、そして高品質な通話を重視するなら「日本通信SIM」が正解です。
そして、どちらも捨てがたいという方には、両方を契約するデュアルSIM運用が、エリアの不安を解消しつつコストを抑える「第三の選択肢」として非常に有効です。



ご自身のライフスタイルに合わせて、最適なプランを選んでみてくださいね。
どちらを選んだとしても、今の通信費より満足度が上がることは間違いないでしょう。








